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Publius Ovidius Naso

 プーブリウス・オウィディウス・ナーソー(Publius Ovidius Naso)


人物

紀元前43-紀元後17頃 「ローマの平和」と呼ばれる時代
ローマの詩人。アペニン山脈中の町、スルモー(現在のスルモーナ)に生まれる。裕福な騎士階級の家に育ち、14、5才の頃にローマに出て、弁論術と修辞学を修めた。その後、アテーナイなどへ遊学し、ローマに帰ってから官職にも就いたが、すぐに詩人の道を進む。紀元後8年にアウグストゥスによって黒海西岸のトミス(現在のルーマニア・コンスタンツァ)に追放される。原因は明確になっていないが、『アルスアマトリア(恋愛術)』の執筆のせいか、もしくはアウグストゥスと親しい女性との醜聞だと言われている。


作品

『変身物語』と『メーデイア』を除き、すべてエレゲイアの韻律で作られている。『変身物語』は、叙事詩の韻律ヘクサメトロス。作品は、便宜的に第一期、第二期、第三期に分けられる。第三期は、追放後の作品。

第一期
『恋の歌』(Amores): 全3巻(もともと5巻であったものを改訂)
『名婦の書簡』(Heroides): 全21篇
『美顔法』(Medicamina Faciei Feminae): 断片のみ
『恋愛術』(Ars Amatoria):全3巻
『恋愛治療』(Remedia Amoris)
『メーデイア』(Medea): 散逸して現存せず

第二期
『変身物語』(Metamorphoses): 全15巻
『祭暦』(Fasti): 全12巻(第6巻まで現存)

第三期
『悲しみの歌』(Tristia): 全5巻
『黒海からの手紙』(Ex Ponto): 全4巻
『イービス』(Ibis)


日本語訳書

・中村善也(訳)、オウィディウス『変身物語』(上)、岩波文庫、1981
・中村善也(訳)、オウィディウス『変身物語』(下)、岩波文庫、1984
・木村健治(訳)、オウィディウス『悲しみの歌・黒海からの手紙』、京都大学学術出版会、1998
・高橋宏幸(訳)、オウィディウス『祭歴』、国文社、1994
・田中秀央・前田敬作(訳)、オウィディウス『転身物語』、人文書院、1966
・樋口勝彦(訳)、オウィディウス『恋の技法』、平凡社、1995
・藤井昇(訳)、オウィディウス『恋の手ほどき・惚れた病の治療法』、わらび書房、1984
・中山恒夫(編訳)、「恋の歌」『ローマ恋愛詩人集』、国文社、1985

その他の文献は、「オウィディウスの参考文献」をご覧ください。


『変身物語』(Metamorphoses)

『変身物語』:全15巻、約1200行。
およそ250篇の大小さまざまな物語が語られる。
叙事詩の韻律(ヘクサメトロス)


関連事項

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このページの最終更新 2007/9/10
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