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辞書・文法書

このページでは西洋古典関連の辞書と文法書をご紹介します
コメントは河島の独断でつけたものです
思いついた順に記載していますので、網羅的なものではありません。

各書籍にはAmazon.co.jpへのリンクが張ってありますので、詳細はそちらで確認することができます。


ギリシア語辞書

· Greek-English Lexicon: Revised Supplement. Oxford: Clarendon Press

《コメント》
もっともよく利用されるギリシア語辞書。LSJと略されることが多いが、これは編者(Liddell, Scott, Jones)の三人の頭文字からつけられている。他に、Intermediate版(中型)とAbridged版(小型)がある。大きさから、しばしば「親・子・孫(祖父・父・子)」と呼ばれる。3つの版は、それぞれに使い勝手が良い。一番大きなLSJは、もっとも細かく、例文も最多。また現在ではSupplement(増補)が加えられている。小型版では、見出し語に活用後の形が多く載せられていて、原形を逆引きできる。しかし、例文がほとんどなく意味だけ載せられていることが多い。中型版は、大型と小型の中間。河島は3版とも使っているが、おそらく中型の使用頻度が一番多い。持ち歩くには中型が限界。

・Greek-English Lexicon. CD-ROM版. Logos Bible Software

《コメント》
上述のLSJ(大型版)がCD-ROMでからLogos Bible Softwareから発売されています。検索がスムーズではなかったり、誤植があったり問題はありますが、大型版を持ち運ぶよりはノートパソコンのほうが軽いかと思います。

· 古川 晴風、『ギリシャ語辞典』、大学書林、1989/09

《コメント》
Greek-English LexiconのAbridged版(小型)に載っている語彙は掲載されているようです。4万7千円くらい。LSJ大型の倍くらいの値段です。高い。

ラテン語辞書

· Oxford Latin Dictionary (OLD). Oxford: Clarendon Press

《コメント》
もっともよく利用されるラテン語辞書。不満足な点もあるが、現在個人が手に入れ得る辞書で、もっとも詳細。引用がとても多く、良い。OLDと略される。持ち運べない。河島は常に机においてあります(立てて収納すると表紙が壊れる)。

・Oxford Latin Dictionary (OLD). CD-ROM版. Logos Bible Software.

《コメント》
Logos Bible SoftwareからOLDのCD-ROM版が出版される予定です。現在は、先行予約を行なっていて、安く予約することができます。

· D. P. Simpson, Cassell's Latin Dictionary: Latin-English, English-Latin, New York: Macmillan

《コメント》
ラ-英、英-ラ、辞書。使いやすく初学者には大変良い。中型の辞書にしては例文もしっかりしている。

· Charlton T. Lewis, Elementary Latin Dictionary, Oxford: Oxford U.P.

《コメント》
初学者向けのラテン語辞書。しばしば勧められるようです。しかし、見出し語が変則的であまり使い勝手がよくないように思います。

· Chambers Murray Latin-English Dictionary, Edinburgh: Chambers

《コメント》
ペーパーバックのラテン語辞書。河島は使ったことがないのですが、評判も良いようです。

· Grosses Schulworterbuch Lateinisch-Deutsch. Berlin: Langenscheidt.

《コメント》
ドイツ-ラテン語辞書。サイズがいくつかある。河島はこの中型のものと小型のものを使っていますが、特にこの中型はとても使い勝手が良いです。

・Dictionnaire latin-français: Le grand Gaffiot. Paris: Gaffiot.

《コメント》
フランス-ラテン語辞書。サイズがいくつかある。一般的な「ラテン語辞書」というと古典期のラテン語を対象としていますが、Gaffiotのラテン語辞書は中世ラテンの単語も含んでいるようです。

· 田中 秀央、『羅和辞典』、研究社、1966

《コメント》
Hermann Menge, Taschenworterbuch der lateinischen unt deutschen Spracheを元に作った日-ラ辞書。日本語で引くことができることが最大の利点。

· 国原 吉之助、『古典ラテン語辞典』、大学書林、2005

《コメント》
使い勝手からいうと田中秀央『羅和辞典』よりも使いやすいようです。見出し語数は『羅和辞典』よりも少ない。もっとも残念なことは値段が高いこと。3万6千円くらいでしょうか。OLDと同じ位の値段です。

初学者のための辞書選び

ギリシア語辞書
 初めてギリシア語の辞書を買う場合は、上記のGreek-English Lexicon (LSJ)のIntermediate(中型)かAbridged(小型)のどちらかが良いでしょう。大きな書店や図書館では現物を見ることができますので、実際に手にとって自分にあうものを選ぶことをお勧めします。専門的に学ぶことになれば、いずれ両方買うことになると思います。


ラテン語辞書
 初めてラテン語の辞書を買う場合は、上記のCassel's Latin Dictionary、Elementary Latin Dictionary、Chambers Murray Latin-English Dictionaryの、3つのうちのどれかがよいでしょう。実際に手にとって自分にあうものを選んでください。河島は、Cassel'sのものが一番使い勝手が良いのではないかと思います。英-ラも意外と便利です。
 英語よりもドイツ語の方が格段に読めるという人は、上記のGrosses Schulworterbuch Lateinisch-Deutschが良いかもしれません。


日-ギ、日-ラ辞書
 日本語のギリシア語辞書、ラテン語辞書もいくつか出版されています。しかし、現在手に入るものに関しては、河島はいずれも初学者にはお勧めしません。日本語という最大の利点はあるのですが、使いやすくなかったり、内容にも不満が残ります。また、ギリシア語にしてもラテン語にしても、文法を学ぶ際にはいずれ欧米語の文法用語を知らなければなりませんし、欧米語の知識を避けて通れません。古典語の辞書を引いて、その英語の意味をまた英和辞書で引くというように、大変手間はかかりますが、我慢です!


ギリシア語文法書

初等文法
· 水谷 智洋、『古典ギリシア語初歩』、岩波書店、1990

· 田中 利光、『新ギリシャ語入門』、大修館書店、1994/09

《コメント》
文法の説明等、悪くはないとは思うが、例文に聖書関連のものが多い点が気になる。

· Mastronarde, Donald J. Introduction to Attic Greek. Berkeley: Univ of California Pr. 1993

《コメント》
欧米では良く使われる初等文法書。練習問題が多くてよい。

· Pharr, Clyde. Homeric Greek: A Book for Beginners. Norman: Univ of Oklahoma Pr. 1986

《コメント》
ホメロスのギリシア語を使った初頭文法書です。ギリシア語を学ぶにあたり、最初にこの文法書を使うことはお勧めしません。一般的に古代ギリシア語というとアッティカ方言をさします。アッティカ方言を学ぶことは、さまざまな方言を読む際にも重要ですから。しかし、ホメロスを読む場合などには、この文法書はとても有用です。

中級以上の文法書
· Herbert W. Smyth. Greek Grammar. Cambridge: Harvard Univ Pr. 1920 (再版 1984)

《コメント》
もっともよく使われる文法書です。専門的に学ぶなら必携です。Indexから逆引きして使うことが中心になります。

· John Dewar Denniston. The Greek Particles. Indianapolis: Hackett Pub Co Inc. 1996
· Bristol Classical Press版もあります

《コメント》
この書籍ももっとも重要なもののひとつでしょう。体系的な文法書ではなく、特にParticle(小辞)を詳細に検証しています。原典の引用例文が大変多く、Indexから調べることができます。ただし、例文には英訳がついていないので、困ることが多い。

· 高津 春繁、『ギリシア語文法』、岩波書店

《コメント》
和書ですが、洋書に引けをとりません。高津氏は言語学者ですので、内容もしっかりしています。使いやすい。2006年11月に第10版が再版されました。絶版が続いていたので、また手に入らなくなってしまうかもしれません。

· William Watson Goodwin. Greek Grammar (Advanced Language). Duckworth Pub. 2003
     他にもいくつかの出版社から出版されています。Goodwin, W. W. Greek Grammar
· ――. Syntax of the Moods and Tenses of the Greek Verb

《コメント》
Goodwinのこの2冊もよく使われます。非常に有用な説明も多いですが、どちらも初版が1870年代のものなので、少し古いです。


ラテン語文法書

初等文法
· 逸身 喜一郎、『ラテン語のはなし―通読できるラテン語文法』、大修館書店、2000

《コメント》
サブタイトルにある通り、「通読できる」ラテン語文法書です。もちろん文法書としてもステップを踏んで学ぶことができる仕様になっていて有用ですが、読み物としても非常に良いです。あとがきによると、筆者の逸身氏は、初級文法書の前にこの本を読むことを望んでいます。細かく活用形や文法を覚えるのではなく、通読してラテン語の全体像を把握するのに適しているでしょう。

· 中山 恒夫、『標準ラテン文法』、白水社、1987
· ――、『ラテン語練習問題集』、白水社、1995
· 河底 尚吾、『ラテン語入門』、泰流社、1992
· 大西 英文、『はじめてのラテン語 (講談社現代新書)』、講談社、1997

· Wheelock, Frederic M. Wheelock's Latin. New York: Harper Resource. 2005

《コメント》
河島はこのテキストで学びました。欧米でよく利用されるテキストです。英語は難しくありません。現在は第6版を手に入れることができます。内容は非常に良いです。

中級以上の文法書
· 泉井 久之助、『ラテン広文典』、白水社、2005

《コメント》
2005年に復刊されました。

· Ward W. Briggs. Gildersleeve's Latin Grammar. Bolchazy Carducci Pub. 1997
     ペーパーバック版などいくつかの出版社から出版されています。
· E. Woodcock. New Latin Syntax. London: Duckworth Publishers. 2007
     いくつかの出版社から出版されています。

《コメント》
GildersleveもWoodcockもよく使われる文法書です。非常に使いやすいというわけではないですが、有用です。

初学者のための文法書選び(ギリシア語・ラテン語共通)

はじめに
 河島が初等文法を習い始めたときに、「ものすごくがんばって勉強して、ラテン語を読めるようになるのに8年、ギリシア語を読めるようになるのに10年」と先生に言われました。何をもって「読めるようになる」のかは別にして、古典語習得には大変な時間と労力がかかることは間違いないです(だいぶ時間がたちましたが、私はいまでも読めているかどうか分かりません)。おそらく私の先生がこのように言ったのは、近代語とは異なる古典語独自の苦労が非常に多いからだと思います。しかし、はじめにこう言われておけば、それほどあせる必要はありません。まだ10年もあるからと思ってこつこつがんばりましょう。


初等文法の目標
 初等文法では主に名詞、形容詞、動詞等の活用を学ぶことになります。そのなかで、個々の活用の使われ方である文法を学んでいきます。したがって、初等文法書を終えたときの目標は以下のようになります。
・活用表を覚える
・基本的な文法の知識を得る
・原典を読んだときに、辞書をひくことができる


初等文法書選び
 初等文法書は和書にしても洋書にしても、完璧なものはありません。色々な文法書を手にとってみて、自分にあいそうなものをやってみるしかないでしょう。上記の参考資料は網羅的なものではありません。参考程度にしてください。いずれにしても、初等文法は足がかりで、実際に原典を読み始めて本格的に文法を学ぶことになるのです。とはいえ、文法書を選ぶときの目安として、以下を参考にしてください。

・できれば、洋書の初等文法書。

《コメント》
辞書を引くにしても、中級以上の文法書を利用するにしても、欧米語の文法用語を知り、慣れる必要があるからです。また、欧米では高校生がラテン語初歩を学ぶことが多いので、文法の説明も安易です。とはいえ、洋書というだけでハードルが高くなってしまうし、好みもありますので選択肢の一つとお考えください。また、日本語の文法書でもはじめの方に文法用語の英語表記が書いてあることが多いです。

・活用表が見やすいほうが良い。

《コメント》
古典語は活用がとても多いので、何度も表を見ることになります。そのために活用表が見やすいだけでだいぶ時間と労力の削減になります。最終的には、河島は、コピーをとって切り貼りして、自分の活用表を作りました。自分の使い勝手の良いものが最初からあればそれに越したことはありません。

・練習問題や用例が多いほうが良い。

《コメント》
実際にステップごとに学ぶ際に、各課に練習問題がついていることは重要です。文法の説明を読んだだけでは、結局使いこなせませんから。そのために、練習問題の量が多いほうが良いです。

その他の辞書

· The Oxford Classical Dictionary (Dictionary). Oxford: Oxford Univ Pr. 2003

《コメント》
古典関連の辞書です。内容も充実していて大変役に立ちます。CDROM版も出ているはずですが、現在手に入れることができるかわかりません。いくつかの版が出ています。

 
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このページの最終更新 2008/2/21
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